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【SolidWorks 基本操作⑧】押し出しカットと回転カットについて

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今回はSolidWorksで押し出しカットと回転カットの使い方について説明します。
押し出しや回転は、材料を足して形を作るコマンドでした。カットは、反対に、材料を削り取るコマンドです。穴、溝、切り欠きなど、部品に必要な形を、あとから加えることができます。
この記事では、次の2つを説明します。

  • 押し出しカット:板(60 × 40 × 10)に、角穴(深さ指定)を開ける
  • 回転カット:軸(Ø20 × 長さ60)に、溝を入れる

まだ押し出しや回転の記事を見ていない方は、先にこちらを見てみてください。

目次

操作前の準備

操作を始める前に、次の内容を確認してください。

  • SolidWorksを起動し、練習に使う部品(押し出しカットは60 mm × 40 mm × 10 mmの板、回転カットは直径20 mm、長さ60 mmの軸)を開いておく
  • 数値の単位はmmで入力します。この記事の画面では、数値の入力欄に「mm」と表示されます

この記事の画面は、SOLIDWORKS 2022の日本語表示で撮影しています。
SolidWorksはバージョンや設定によって、画面やメニューの名称、配置が変わることがあるため、お使いの画面と異なる場合があります。

押し出しカットの使い方

深さを指定して、角穴を開ける

まず、板の面に長方形(20 × 10)を描いて、深さ5 mmの角穴を開けます。カットでは、削り取りたい形を、スケッチに描きます。

① 板を用意する

デザインツリーに、板を作った「ボス – 押し出し1」(赤枠)があることを確認します。板は、60 × 40 × 10です。

60×40×10の板とデザインツリーのボス押し出し1

② 切り取りたい面を選んで、「スケッチ」をクリック

穴を開けたい面(画面で水色になった、手前の大きな面)をクリックします。ツールバーの「スケッチ」タブの左端の「スケッチ」(赤枠)をクリックすると、その面でスケッチが始まります。

穴を開ける面を選んでスケッチを開始する画面

③ 「矩形中心」で、原点から右上へクリック

長方形のアイコンの右の「▼」から「矩形中心」(赤枠)を選びます。原点(赤丸)をクリックして中心を決め、マウスを右上へ動かして、もう一度クリックします。大きさは、およそで構いません。緑のチェックをクリックして、確定します。

矩形中心で原点から長方形を描く画面

④ 上の辺に寸法「20」を入力

「スマート寸法」をクリックします。長方形の上の辺をクリックし、その上の空いた場所をクリックして、「変更」ダイアログ(赤枠)に20を入力し、Enterキーを押します。

上の辺の寸法に20を入力する画面

⑤ 右の辺に寸法「10」を入力

続けて、長方形の右の辺をクリックし、その右の空いた場所をクリックして、10を入力し、Enterキーを押します。左上の緑のチェックをクリックして、寸法の入力を終了します。

右の辺の寸法に10を入力する画面

⑥ 線がすべて黒色になれば、スケッチの完成

線が黒色になれば、大きさと位置がすべて決まった状態(完全定義)です。画面右下にも、「完全定義」と表示されます。

寸法を入力して完全に定義された長方形のスケッチ

⑦ 「スケッチ終了」→「押し出しカット」をクリック

ツールバーの左端の「スケッチ終了」をクリックします。「フィーチャー」タブを選び、「押し出しカット」(赤枠)をクリックします。左側に「カット – 押し出し」のパネルが開きます。

押し出しカットコマンドの位置

⑧ 「ブラインド」と、深さの欄

パネルの「方向1」の一番上の欄(赤枠)が、終了条件です。ここが「ブラインド」のときは、決めた深さだけ切り取ります。その下の欄(赤枠)が深さで、初期値は1.00 mmです。

カットのパネルの終了条件ブラインドと深さの欄

⑨ 深さに「5」を入力して、緑のチェックをクリック

深さの欄(赤枠)に、数字の5を入力して、Tabキーを押します。プレビュー(黄色)を確認して、パネル左上の緑のチェック(赤枠)をクリックします。

深さに5を入力して確定する画面

⑩ 深さ5 mmの角穴ができました!

板の面に、深さ5 mmの角穴ができました。板の厚みは10 mmなので、穴の底が残っています。デザインツリーには、「カット – 押し出し1」(赤枠)が追加されています。

深さ5mmの角穴ができた板と、デザインツリーに追加されたカット押し出し1

貫通させたい場合は:手順⑧の終了条件の欄(「ブラインド」と表示されている欄)をクリックして、一覧から「全貫通」を選びます。深さを入力しなくても、材料の端まで、反対側まで突き抜けて切り取ります。ボルトを通す穴など、貫通する穴を開けるときに使います。「ブラインド」は、深さを決めて切り取るときに使います。

回転カットの使い方

軸に、溝を入れる

回転カットは、スケッチを軸のまわりに回して、材料を削り取るコマンドです。ここでは、直径20 mmの軸の、端から50 mmの位置に、幅3 mm、深さ2 mmの溝を入れます。止め輪(サークリップ)をはめる溝のような形です。

⑪ 軸の「正面」を選んで、「スケッチ」をクリック

デザインツリーの「正面」(赤枠)をクリックしてから、ツールバーの「スケッチ」をクリックします。軸(ボス – 押し出し1:赤枠)を、横から見た画面で、溝の断面を描きます。

軸の正面を選んでスケッチを開始する画面

⑫ 「直線」の▼から「中心線」をクリック

「直線」の右の「▼」をクリックして、「中心線」(赤枠)をクリックします。中心線は、回転する軸の位置を示す線です。軸の中心(原点)から、右へ向かって引きます。

中心線コマンドの位置

⑬ 軸の中心に中心線、溝の形に長方形を描く

原点から右へ、軸の中心線に沿って中心線を引き、Escキーを押します。次に、「矩形コーナー」で、溝の形になる長方形を、軸の右寄りの、上の縁の近くに描きます。大きさと位置は、およそで構いません。

中心線と、溝の形の長方形を描いた画面

⑭ 長方形の上の線と軸の上のエッジを選び、「同一線上」をクリック

溝の深さを、軸の外側の線に合わせて決めます。まず、長方形の上の線をクリックします。次に、キーボードのCtrlキーを押したまま、軸の上の線(エッジ)をクリックします。「選択エンティティ」の欄(赤枠)に、「シルエット エッジ」と「直線」の2つが入ります。左側の「拘束関係追加」の「同一線上」(赤枠)をクリックして、緑のチェックで確定します。同一線上は、2つの線を、同じ直線の上に重ねる拘束です。

長方形の上の線と軸の上のエッジを選んで同一線上の拘束を付ける画面

⑮ 長方形の上の線が、軸の上のエッジに重なった

長方形の上の線が、軸の上のエッジと同じ位置に重なりました。長方形が、軸の外にはみ出さず、軸の中に収まります。

長方形の上の線が軸の上のエッジに重なった画面

⑯ 寸法 3、2、50 を入力(完全定義)

「スマート寸法」で、次の3つの寸法を入力します。
・長方形の幅:3(溝の幅)
・長方形の高さ:2(溝の深さ)
・軸の左端から、長方形の左の辺まで:50(溝の位置)
線がすべて黒色になれば、完全定義です。溝の底の位置は、上の線を軸のエッジに合わせているので、寸法で決める必要がありません。

溝の長方形に寸法を入力して完全定義した画面

⑰ 「スケッチ終了」→「回転カット」をクリック

「スケッチ終了」をクリックします。「フィーチャー」タブを選び、「回転カット」(赤枠)をクリックします。

回転カットコマンドの位置

⑱ 回転軸と角度を確認して、緑のチェック

パネルの「回転軸」(赤枠)に、中心線(直線1)が入っていることを確認します。角度は360 deg(一周)です。パネル左上の緑のチェックをクリックして、確定します。

回転カットのパネルで回転軸と角度を確認する画面

⑲ 軸に溝ができました!

軸の一周に、幅3 mm、深さ2 mmの溝ができました。デザインツリーには、「カット – 回転」(赤枠)が追加されています。

溝を入れた軸と、デザインツリーに追加されたカット回転

初心者が間違えやすいポイント

  • カットは、「削り取りたい形」を描く:残したい形ではなく、削り取りたい形(穴や溝の形)を、スケッチに描きます。
  • スケッチを描く面を間違えない:押し出しカットは、スケッチを描いた面から、材料の中へ向かって切り取ります。穴を開けたい面を選んで、スケッチを始めてください。
  • 深さの初期値は、1.00 mm:ブラインドで深さを入力し忘れると、1 mmしか切り取られません。
  • 「全貫通」を選ぶと、深さの欄がなくなる:貫通させたいときは、終了条件を「全貫通」にします。深さの入力は不要です。
  • 溝の深さは、「同一線上」で決められる:溝の長方形の上の線を、軸の上のエッジに合わせると、溝の底の位置を、寸法で入れなくても、完全定義にできます。
  • 回転カットには、中心線が必要:回転軸になる線がないと、回転カットができません。「中心線」で描いておくと、自動で回転軸に選ばれます。
  • 緑のチェックで確定する:「矩形」「寸法配置」「カット – 押し出し」「カット – 回転」のパネルは、緑のチェックをクリックするまで、作業中の状態です。

うまくいかない場合の確認事項

  • 「押し出しカット」や「回転カット」が、クリックできない(灰色):スケッチ編集モードのままになっている可能性があります。ツールバーの左端が「スケッチ終了」になっていたら、クリックして、スケッチを終了してください。
  • 「切り取る形状がない」というエラーが出る:スケッチが、材料の上に描かれているか確認してください。回転カットでは、長方形が、軸の中(上の縁の内側)にあるか確認してください。
  • カットの向きが逆(外側へ切り取ってしまう):パネルの「反対側をカット」のチェックを、確認してください。
  • 形が思ったものと違う:スケッチの寸法(20 × 10)、深さ(5 mm)、溝の寸法(3、2、50)を、確認してください。
  • 画面の表示が違う:SolidWorksのバージョンや設定によって、アイコンの配置や名称が異なる場合があります。ツールバーの上にマウスを重ねると、名前が表示されます。

まとめ

押し出しカットと回転カットの手順は、次のとおりです。

  1. 穴や溝を作りたい面に、削り取りたい形のスケッチを描いて、「スケッチ終了」をクリックする
  2. 押し出しカット:終了条件を、ブラインド(深さを指定)にして、緑のチェックをクリックする(貫通させたいときは全貫通を選ぶ)
  3. 回転カット:溝の断面と中心線を描いて、「回転カット」で、一周分を切り取る

押し出しカットは、穴やポケットなど、まっすぐ切り取る形に使います。回転カットは、軸の溝や、段差など、円筒形の部品の加工に使います。足すコマンドと、削るコマンドを組み合わせると、実際の部品に近い形を作れます。

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