今回は幾何公差が何故必要なのか?について記事を書いていこうと思います。前回は指示なき普通公差 (JIS B 0405) や、指示なき幾何公差 (JIS B 0419)についてホームページにアップしました。
今回は寸法公差だけでは定義できない幾何公差の必要性や、「独立の原則」の基礎知識について記事を書いていこうと思っております。
機械設計の初心者や新入社員さんなどには是非見ていただきたい内容となっております。
もし前回の記事をまだ見ていない方は、是非コチラの記事も見てみてください。
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この幾何公差の記事を見る前に、できれば前回の指示無き公差や指示無き幾何公差をページを見ていただけると嬉しいです!
幾何公差の必要性について
幾何公差の初めて使う人が疑問に感じる図面について
下図の図面を見て「??」ってなりませんか?
寸法公差が±0.1なのに平面度が0.4って、そんなの入れなくて勝手に寸法公差内に収まるでしょ!





私も加工屋で働いていた時代に意味不明だと思っていた図面です。
寸法公差が「±0.1」なのに、平面度が「0.4」って意味あるの?
普通に図面を書いた設計者が、間違えて入れた幾何公差だと思っていました💦
しかしこの図面の場合、下図のような形状になる可能性があります


それって「50±0.1」の公差を超えているのでNGなのでは!?





いやいや「50±0.1」の寸法公差から外れるじゃん💦
これってただの寸法NG部品の部品でしょ!?って駆け出しの頃は本気で思っていました💦
独立の原則について
独立の原則についてJIS B 0024では下記のように書かれています
標準的に,一つの形体又は形体間の関係に関するどのGPS仕様も,規格で規定するか,又は特別な指示の仕様とは独立して満足しなければならない。
※GPS:Geometrical Product Specification(製品の幾何特性仕様)



と、JIS規格に書いてありますが、全く覚える必要はありません!!
とりあえず「寸法公差と幾何公差は別々に考えようね」って認識だけでOKです!!
実際にノギスで測定すると寸法公差としてはOK判定になります


下図の赤色矢印をノギスで測定すると、どちらの形状でも寸法OKとなってしまいます







まあ三次元測定機で測定すると「50±0.1」の寸法から外れますけどね。
ただ図面としてはこの形状でもNG判定にはならないです。
理想とする寸法公差は幾何公差を使うことで成立します
理想とする寸法公差に入れたいなら幾何公差を使うしかないです


このように位置度の幾何公差を使用することで、理想となる形状を図面に入れられます





いやいや新田設計さんよぉ!
基準データムAの平面度は無視かよ!!
あと平面を規制したいなら輪郭度を使えよ!!
とか言いたいベテラン設計者様の意見は重々承知です笑
ただ今回は幾何公差について、まずはイメージだけでも新入社員さんに伝えておきたいので、どうか暖かい目で見ていただければ嬉しいです☆
とにかくこの記事で言いたいことは



寸法公差と幾何公差は「独立の原則」によって、それぞれ別々に考えましょう!って事です。
あと幾何公差は機械図面の中でも、かなりディープな世界であってベテラン設計者さんでも完全に理解できている人はかなりの少数派です。
機械設計を始めた頃から全部を理解しようとすると、すぐにパンクしてしまうので徐々に覚えていきましょう!
元加工屋で設計に転向した新田設計が、なるべく実際の現場で使われている図面について分かりやすく説明していこうと思っています。
是非今後もこのホームページを見ていただけると嬉しいです!!
終わりに
今回は前回の指示無き寸法公差の記事に続いて、機械設計で図面を書くための必要な幾何公差の基本知識についてホームページにアップしました。
普段は3DCADの使い方や3Dプリンターの記事がメインとなっておりますが、もし希望があれば機械製図についての記事も今度どんどんアップしていこうと思っております。
特に初めて機械設計をすることになった方や、新入社員さんに是非このホームページを見ていただきたいと思っております。
今度も3DCADや機械設計についての記事をどんどんホームページにアップしていこうと思っていますので、新田設計のホームページを是非ブックマークしていただけると嬉しいです。
また公式LINEやX(旧Twitter)もやっておりますので、そちらもフォローしていただければ幸いです!
それではまた!